皆さん「SPT」という言葉を聞いた事はありますか?
この言葉は supportive periodontal therapy : SPTの略です。
これは歯周治療後の再発防止と、再発が起こってしまった場合に早い段階での処置ができるための連続的な経過観察と予防処置を行っていくことです。
予防歯科を成功するために必要なこととは?
- セルフケアとプロフェッショナルケアの両方が必要不可欠です。なかでも、ご自身が行う毎日のケアが重要な鍵を握ります。
- ご自身で “自分の口腔内が今どんな状態なのか、この先どうしたらよいか” を考え把握する力をあげていくことです。歯ブラシの選び方によっても磨き残しが減ります。それぞれに合ったセルフケアの方法を一緒に考えていくお手伝いをすることが私達の役割です。
- 本当のスタートは治療を終えた時からはじまります。一度治療をしても、元の状態に戻ったわけではありません。その後のお口のコンディションが悪ければ、すぐ再発してしまうリスクがある病気なのです。
では予防歯科先進国である北欧と比較しながら予防歯科達成後の日本をみていきましょう!
北欧では、予防の概念がすすんでいて一般の人でも歯科医療従事者でも歯科医療の前提は予防である事が浸透していると言います。
それに比べ日本における二大口腔疾患のコントロールは約30年遅れている・・・と言われています。
H23歯科疾患実態調査の結果 厚生労働省
2014年歯界展望1月号参照
こちらの図を見ると2011年の調査では、3歳児のカリエスフリー者率がスウェーデンの1985年にもまだ追いついていない事がわかります。
6~12歳の1人あたりのDMFT(総う蝕経験)データでも日本が倍ほど悪いとの結果がでています。
スウェーデンの未成年者のメインテナンス率は92%!
この大きな違いは、19歳以下は歯科医療が無料であることにもよると思います。小児齲蝕の減少は、フッ化物配合歯磨剤の登場と口腔衛生の知識向上によるものと言えます。
日本でも2011年の実態調査によると80歳で20本!(8020運動)の成果が出てきています。
こちらがそのグラフです。
では30年後の日本を予測してみましょう!
こちらはDFT(虫歯と虫歯を治した歯の指数)をグラフにしてあります。
ピークは50歳前後の世代です。
よって、この世代が最大値をとりながら移行していくと考えられます。
こちらが30年後を予測したグラフです。
さきほどの世代が80歳前後になった時は現在の同世代と比較すると約2倍の修復歯が残るとされています。
日本は先進国の中では定期歯科メインテナンス率が低いと言えます。
国民皆保険制度があるため米国のように富裕層だけが口腔健康を守られているわけではありません。
一生、健康なお口でいるために、正しい知識を身につけ私達と一緒に「予防歯科」をはじめましょう!